お久しぶりです。サプリライオンです。
先日、統計検定準1級のネット試験(cbt試験)を受け、合格しました!
結構大変な試験勉強でしたので、メモがてら綴っていきます。
受験前の能力
受験前の能力は次の通りです。
- 平均、分散、偏差値知ってる!
- ベイズの定理、見たことあるかも!
- t検定…..???
- 線形代数と微積は、大学初めにやった!
つまり、統計の素人でした。
きっかけ
理系として生きてきましたので、数字を使うのは日常茶飯事ですが、統計学を学んだことはありませんでした。非情報系の学部から製造業に就職しましたが、最近はデータサイエンス界隈に興味を持ったので、KaggleやAtcoderを通して日々勉強しています。さらに、統計学を体系的に学びたいと思い、モチベ維持のために統計検定を受けようと思いました。
準1級合格までの試験勉強
勉強時間の合計は180hrでした。
試験勉強は3つのフェーズに分かれます。
- 統計web 20hr
- 過去問を解く 130hr
- 最後にワークブックで追い込み 30hr
それぞれのフェーズについて記します。
- 統計web 20hr
そもそも、統計検定の難易度を分かっていなかったので、ポピュラーな2級合格を目標として勉強を開始!
色々調べた結果、統計2級の対策は統計webの「統計学の時間」を読むだけで十分ということが分かったので、これを一通り読むことにした。200記事以上あり、読むだけでも大変だったが、一つ一つの記事の分量は少ないのでテンポよく進んだ。
読み終わった後実力テストとして、統計2級の過去問を解いた。受かる気しかしなかったので、統計検定準1級を目指すことにした。
- 過去問を解く 130hr
準1級と1級の過去問を下記の量だけ解いた。
準1級
- 2016,2017 3周
- 2019,2021 1周
1級
- 2016,2017 1周
1級を解いた理由は2つあります。1つは将来の受験を見据えてのこと。もう1つは難易度の緩急をつけて勉強を楽しくすることです。
使用した参考書は主に次の3つです。
やり方は単純で、過去問を解いて分からない部分を調べるを繰り返すだけです。
最初はネットで調べるだけで十分と想定していましたが、ダメでした。欲しい情報はない上、調べる時間も馬鹿にならないので、統計学実践ワークブックを使用するようにしました。すると、試験とほぼ同じ問題や詳しい解説が満載でかなり勉強が楽になりました。
また、それでも理解度が足りないと感じたときは現代数理統計学を読みました。
合格を目標とした参考書の優先度は、
ワークブック >>> 公式問題集 >>>>>>>> 統計学の本
という感じです。
- 最後にワークブックで追い込み 30hr
この段階で、2021年の問題は60点弱、2019年は70点、2017,2016年は80点以上が取れるようになっており、受かるだろうと高を括っていましたが、念には念をということで、cbt試験の申込から受験までの間にダメ押しでワークブックを一周読みました。
なんだかんだ簡単に読み終わると思っていましたが、かなり時間を食いました。今まで扱わなかった問題やら、弱点の範囲やらが浮き彫りになりました。
以下に、受験前の自信のない範囲、可もなく不可もなくの範囲、自信のある範囲を示します。
並べてみると自信のある範囲は少ないです。
私はこれでも受かりましたが、試験範囲や難易度が毎回同じとは限らないので、悪しからず。
試験本番
試験は次の様な内容でした。
- 本番問題は、大問が21問でそれぞれに小問が1,2問という構成。
- 問題の 2/3 くらいが5問択一で、残り 1/3 くらいが数値を入力(体感)。
- 半分は見たことあるような問題だったけど、お初にお目にかかる問題も多数。
- 最初と最後がキツくて焦りましたが、時間は30min以上余ったので分量的には多くない。
さらに詳しく知りたい方は、公式HPへ
そして、試験中の私の心の声です。
チェビシェフってなに?
二次判別分析知ってるのに、この問題は難しすぎ・・・解けなくてショック。
十分統計量は聞いたことあるけどなんだっけ・・・?
結論: 全体としてPBTより難しく感じた。
試験結果
合格点60点に対し、得点 66点!
ギリギリ合格でした・・・
80点以上を目指していたのでかなり悔しいのですが、合格はできたので安心しました。
内訳は以下の通りです。
- 確率と確率分布 40%
- 統計的推測 83%
- 多変量解析法 76%
- 種々の応用 59%
自信のある「確率と確率分布」が足を引っ張り、自身の無い「統計的推測」が躍進しました。本番では何が起こるか分からない。
準1級合格へのロードマップ
今から統計検定準1級の勉強始める人のロードマップを考えてみました。
自分の記憶がなくなって、また受け直すとなった時に備えて記します。結構な勉強時間を捧げることになるので、効率的なやり方を考えました。
他の方は参考になれば・・・
- 統計検定2級の過去問を解く
もし、心が折れた場合は、統計webの「統計学の時間」の記事を全部読む。再度過去問に挑戦し、心が折れたら「統計学の時間」に戻る。これを繰り返せば、2級ぐらいなら受かると思います。
2級はイケそう、楽勝!と感じれば準1級の勉強を開始します。
- 統計検定準1級の過去問を解く
分からない問題はワークブックの関連した章を見て学ぶ。4年分くらいやると試験に出やすい範囲が理解できます。80点くらいをコンスタントに出せるくらい安定してきたら、cbt試験の申し込みをする。
- 本番までにワークブック全てに目を通し、問題も全部解く
cbt試験の申込みから試験まで1週間以上の猶予があるので、そこで知識を詰め込みましょう。「こんなの知ってないと解けないだろう」っていう問題が出ていたので、ダメ押しのワークブック読みは大事です。さらに深堀りしたい方は、統計学の本を読んで細部を詰めましょう。
注意点
自分への戒めです。
- 外で行う試験なので、デバフが掛かりやすい
私の場合、色々間違えて試験会場までの移動で走ることになってしまい、炎天下も相まって汗だらだらの状態で受験しました。会場はパソコン教室で、周りの作業音はそれなりにうるさかったです。持ち込めるものは電卓だけで、シャーペンや紙は貸し出され、PCは使いづらく、一言でいうと慣れない環境です。始めの30minは集中出来ませんでした。能力としては8割くらいしか出ないと思っておいた方が安全です。合格したいなら、8割くらいとれる実力を持っていた方が無難だと思います。
- 暗記は殆ど必要ない
試験勉強というと頭に知識をどんどん詰め込んで、試験が終わった瞬間から漏れていき、将来的には何も残ってないと想像する方が多いかもしれませんが、統計の勉強では覚えるべき公式は数えるくらいしかありません。そのため、少ないピースを使って演繹法で式を導出する力が大事です。真面目に詰め込んで覚えるというより、数学的センスを磨くことや、その場のノリを楽しむことを基本姿勢にして取り組めばと良いと思います。
- 分からない場所は飛ばしながら進めた方がいい
統計の本を読んでいて感じるのが、式の変化を追うのが大変なことです。行間がどれだけ省かれているのかと不思議になります。考えてもすぐに分からない場合は、気にせず進むようにしました。その理由は、統計検定の各知識はクモの巣のようなつながりがあるからです。あることが分からなくても、それの関連問題は分かったりします。周辺領域の解像度が上がると分かるようになるかもしれません。そもそも、教科書や問題集は人に教えるために存在するので、いつか自分にも分かる日が来るだろうとのんびり構えていて良いと思います。
感想
統計検定の資格勉強は付け焼刃って感じではなく、長い時間をかけて技能が身についたって感じです。統計に関するセンスは、死ぬまで残り続けるタイプの能力だと思います。習得するためのコストは全く安いものではないと思いますが、世界の見え方は変わるので挑戦する価値のある資格だと思います。別に合格できなくても、やった分だけ力は着くと思うので軽率に学習してみては良いのではないかと。デメリットがあるとしたら、自分だけ分かっていても人に説明することが難しいことくらいです。それくらい、本能からかけ離れた特殊技能ということです。こんなこと言ってますが、準1級を取って基礎ができただけで、全然わかってないなぁと実感しています。
もう少し統計を深めるために1級もこの流れで取りたいと思います。
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